「元気だから大丈夫」は、残念ながら検査を受けなくてよい理由にはなりません。
2023年に新たにがんと診断された人は、全国で993,469人。部位別に見ると、男女合わせて最多は大腸がん、3番目に多いのが胃がんでした。男女を問わず上位に入っています。
| 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 前立腺 | 大腸 | 肺 | 胃 | 膵臓 |
| 女性 | 乳房 | 大腸 | 肺 | 胃 | 子宮 |
| 総数 | 大腸 | 肺 | 胃 | 乳房 | 前立腺 |
厚生労働省「令和5年 全国がん登録 罹患数・率 報告」(2023年)をもとに作成
亡くなる方の数も同じ傾向です。2024年にがんで亡くなった方は384,111人。こちらは大腸がんが2位、胃がんが4位で、女性に限ると大腸がんが1位です。
| 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
| 女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 |
| 総数 | 肺 | 大腸 | 膵臓 | 胃 | 肝臓 |
公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計2026」p.15をもとに作成
大腸がんと胃がんは「かかる人も亡くなる人も多い」がんです。すなわち特別な人がかかる病気ではなく、だれでも注意が必要な病気だということを知っていただきたいと思います。
胃がんや大腸がんの早い段階では、ほぼ自覚症状がありません。痛み、出血、体重の減少、便が細くなるといったわかりやすい変化は、がんがある程度進行してから表れることが多いのです。
したがって、以下の状態は
「がんではない」ことの証明にはなりません
逆に言えば、はっきりした症状をきっかけに受診された場合は、すでに進行した状態で発見されることもあります。
がんの治療成績を表す代表的な指標に、5年生存率と呼ばれるものがあります。診断を受けてから5年後に生存している方の割合です。全国がんセンター協議会の集計(2023年9月)では、見つかったときの進行度(ステージ)ごとに、次のように報告されています。
ステージは、がんが胃や大腸の壁のどこまで深く入り込んでいるか、そしてリンパ節や他の臓器に広がっているかで決まります。I期は壁の浅い層にとどまっていますが、IV期になると肝臓や肺など離れた臓器にまで広がります。
全国がんセンター協議会の生存率共同調査(2023年9月集計)をもとに作成
全国がんセンター協議会の生存率共同調査(2023年9月集計)をもとに作成
このように同じがんでも、どの段階で見つかるかで、その後の見通しも、治療によってかかる負担も変わるのです。早期のうちに発見できれば、内視鏡で切除できる場合もあります。この場合、お腹を切るような大きな手術を受ける必要がありません。
※なお治療方針や経過は、お一人ひとり異なります。あくまで全国の集計値であり、治療の結果を約束するものではありません。
厚生労働省が勧めるがん検診は、大腸がんが40歳以上・年1回(便潜血検査)、胃がんが50歳以上・2年に1回(胃部X線検査または胃内視鏡検査)です。自治体によっては、40歳以上を対象に胃部X線検査を毎年実施している場合もあります。
もし検診で「要精密検査」となったら、必ず内視鏡検査を受けてください。
検診は、詳しい検査を受けるべき方を見つけるための入口です。そこで異常が見つかっても、放置してしまっては、検診を受けた意味がなくなってしまいます。
内視鏡検査が優れているのは、異常を見つけるだけでなく、気になる箇所の組織を採って調べられる点にあります。また大腸カメラでは、将来がんになる可能性のあるポリープを見つけた時点で切除できることもあります。発見だけでなく、がんを未然に防ぐことにもつながるのです。
検査を受けるまでは、少し面倒に感じるかもしれません。
でも、早期の胃がん・大腸がんを見つけることができるのは、こうした検査だけです。
以下に当てはまる方は、どうぞ一度ご相談ください。
症状のない方にも定期的な検査をおすすめします。
ご不安な点は、診察時にお尋ねください。